子宮頸がんについて
防ぐ

ワクチンで約7割予防
HPVの感染は、ワクチンによって7割程度予防できます。ワクチンは6カ月間で3回の接種が必要で、1〜2回の接種では十分な抗体ができません。性体験前の10代での接種が効果的ですが、20代以上でもワクチンによる予防効果は期待できます。
ハイリスク型に効果
現在、日本で接種できるワクチンは2種類です。16型・18型の2つのハイリスクHPV感染を防ぐ【サーバリックス】。16型・18型に6型・11型を加えた4つのHPV感染を防ぐ【ガーダシル】。6型・11型は性感染症のひとつである尖圭(せんけい)コンジローマの原因となります。尖圭コンジローマは性器などに良性のイボができる病気です。
ワクチン接種の公費助成
県内市町村において2012年度は中学1年〜高校1年に相当する年齢の女性を対象にワクチン接種が全額助成されています。詳しくはお住まいの市町村にお問い合わせください。なお自費でワクチンを接種する場合、約5万円程度かかります。
検診も不可欠
ワクチンでハイリスクHPV16型・18型の感染を防ぐことはできますが、すべてのHPVの感染は防げません。また、既に感染したHPVを消滅させることはできません。したがってワクチン接種だけでは十分でなく、子宮頸がんの予防・早期発見には検診が不可欠です。
がんになる前に見つける
HPVの感染が続いた細胞が、がんに進行するには数年かかります。子宮頸部の細胞は簡単に採取でき、定期的に細胞診検査を受ければ、がんになる前の段階で細胞の異常(異形成)を見つけて治療できます。1〜2年に1度(性行為の機会が多い間は1年に1度)は細胞診を受けましょう。
細胞診とHPV検査
細胞診のほかに、ハイリスクHPVに感染しているかどうかを調べるHPV検査があります。細胞診では判定が困難で、HPV感染の有無を確認した方が良い場合は、HPV検査を保険診療で受けることができます。HPV検査の結果が陽性であれば、より慎重な経過観察が必要です。自覚症状がほとんどないため、検診を受けて異常が発生していないかを確認する必要があるのです。
また予防ワクチン接種にあたって感染の有無を調べたい場合は、費用が全額自己負担になりますが、HPV検査を受けることができます。医療機関に詳細を確認してください。
低い検診受診率
欧米では子宮頸がん検診の受診率は約80%です。これに対して日本の受診率は25%に届かず、先進国では最低レベルです。とくに20代で受診しているのは約11%(平成19年国民生活基礎調査)と極端に低い状況です。若い女性の多くが検診を受けていないことが、子宮頸がんが20〜30代に増えている要因のひとつといえます。
中学・高校生の女の子をもつお母様・お父様へ
セクシャルデビューの年齢が早まり、子宮頸がんも若年齢化しています。予防ワクチン接種は、性体験前が効果的です。将来、赤ちゃんを育む子宮を守るため、お子さんと一緒に、その予防について考えてみてください。ワクチンは産婦人科に限らず、各市町村で指定された医療機関であれば、小児科や内科などでも接種できます。また性体験後には検診が必要になってくることも話してあげてください。