ピンクリボン月間
ひとりじゃないから、 乳がんと歩んでいける。
子宮頸がん啓発キャンペーン「未来への約束」vol.8
日本人女性の15人に1人が乳がんになるといわれています。
女性なら誰もがかかる可能性があり、
そして乳がんを抱えて生きる多くの女性たちがいます。
そんな女性たちがつながり支え合う「乳がん患者会」をご存じですか。
乳がんとともに日々を歩む女性たちを通して、今、もっと乳がんを知りたい。
10月は「ピンクリボン月間(乳がん月間)」です。
つながり支え合う

乳がんは早期に発見して治療すれば、治癒率の高いがんです。しかし手術など入院治療を終えた後も、通院しながらの継続的な薬の治療や、後遺症のケアなどが必要になります。さらにホルモン療法や化学療法の副作用、再発や転移の不安、また家庭や仕事、経済的な問題など、悩みは尽きません。そんな悩みや不安を共有して患者自身が支え合う「乳がん患者会」が県内でも増えています。
女性クリニックWe富山の乳がん患者会「We・すずらんの会」は、活動を始めて8年目になります。現在、会員はおよそ100名。会報の発行をはじめ、週末を利用して気軽に語り合うプチサロンと、最新の治療方法などをテーマにしたクリニックの医師による講演会、ヨガの会やクリスマス会などのイベントを、月1回のペースで行っています。「みなさん明るく元気なので、乳がんを抱えているようには見えないかもしれません」と語る平田暁子さん。すずらんの会に参加して4年余り、現在は会長として活動の企画や運営に携わっています。
何でも語り合える場

「会員は40代を中心に、20代から70代までと幅広く、お子さんと一緒に家族で参加する方もいて、世代を超えた交流も楽しみのひとつ」という平田さん。さまざまな活動の中でも、プチサロンでの何げないおしゃべりが、会員にとっては大切な時間になっているようです。
「化学療法の副作用で食欲がない、髪の毛が抜けてどうしよう…など、どんな困りごとも気軽に話すことができ、経験者からさまざまな具体的なアドバイスがもらえます」とのこと。術後のボディ・イメージがつかめず乳房再建を迷っていた人に、自分が再建した乳房を快く見せて決断をサポートしたケースなど、同じ病気と悩みを共有する者同士ならではの支え合いが、気軽なおしゃべりの中から広がっています。
「とくに副作用の話では盛り上がりますよ」という平田さん。「私たちは笑って語リ合うことができますが、患者さんの中には、ひとりで悩みを抱えている方も少なくないと思います。そんな方に、誰にも言えなかったことを話せる場があることを伝えていけたらと思います」。
検診を受け早期発見を

乳がんになったことで、平田さんの人生観は大きく変わりました。「最初は自分が病気だということを認めたくない思いがありましたが、今は“生きている”こと自体が幸せと思えます。子どもの成長を見ていると、本当に自分が元気でいられて良かったと思います」と実感をこめて語ります。「医療の現場を支える人、同じ病気を抱える人…さまざまな出会いのおかげで、自分がいかに多くの人たちのお世話になり、支えられているかにも気づきました」。
そんな平田さんですが、乳がんが見つかるまで検診を受けておらず、ピンクリボンキャンペーンも知りませんでした。「自分は病気にならないと思い込んでいました。もし検診を受けて早期発見していれば、全摘手術も化学療法も必要なかったかもしれません。身体的にも、経済的にもラクだったでしょう…」と振り返ります。「今は健康だからと検診を受けていない人が、もし乳がんになったら、検診を受けなかった自分を責めてしまうと思います。より多くの方が乳がん検診を受け、早期発見に努めてほしいと願っています」。
乳がん患者であることを、職場でも、友人にも言えず、自分の中に抱え込んでいる人は少なくありません。悩みを誰かに話したい、患者会に参加してみたいと思いながら、足を踏み出せない方もいらっしゃると思います。そのような方が一歩踏み出せる場にしたいと願い私たちは活動しています。すずらんの会は、どの病院で治療を受けていても参加できます。難しい一歩かもしれませんが、踏み出してみませんか。あなたはひとりではありません。そして、もうひとりで悩まないでください。
富山の女性たちに聞きました
Q検診に行ったきっかけは何ですか?
※県内10〜60代女性294人から回答
20代・30代に急増する子宮頸がん。30代から60代の女性の死亡原因トップである乳がん。どちらも女性にとって注意が必要な病気であり、子宮頸がんキャンペーン「未来への約束」では、命を守るために検診と早期発見・早期治療の大切さをお伝えしてきました。しかし検診受診率は全国的に低迷したままです。
富山の女性たちは、がん検診を受けたきっかけとして(複数回答)、4割近くが市町村の検診、2割余りの人が学校や職場での検診を挙げています。あなたも自治体や職場での検診の機会を逃さず、ぜひ定期的に検診を受診してください。輝く未来への約束として…子宮頸がん検診・乳がん検診を習慣にしましょう。