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子宮頸がんについて

健康だから始めたい、子宮頸がんの備え。

日本では年間1万人以上の女性が新たに子宮頸がんであると診断され、
約2700人が亡くなっています。早期発見に欠かせない検診の受診率は、
欧米では80%前後であるのに対して、日本は25%にも達していません。
『だって体調は良いし、私は大丈夫』…そんなふうに思っているあなたへ。
子宮頸がんは自覚症状なく進行します。もしもの備えは、健康だからできるのです。

20-69歳 女性の子宮頸がん検診受診割合(2006年)

《まずは検診―もしものためにー》


若い女性の未来を脅かす病気

 子宮頸がんは、子宮の入口付近の子宮頸部にできるがんです。結婚や妊娠・出産のピークである20〜30代で発症が急増することから、若い女性に最も注意してほしい病気といえます。
 発症の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であることが明らかになっています。HPVは性交渉により感染し、性交経験のある女性の80%以上が感染するありふれたウイルスです。感染しても免疫の働きで、ほとんど自然に排除されますが、ごくまれに感染が持続した細胞が、がんに進行するとされています。
 HPVの感染はワクチン接種で予防できますが、ワクチンですべての感染は防げません。予防と早期発見のためには検診が有効です。HPVの感染が続いた細胞ががんになるには一般的に数年かかります。定期的に検診を受けていれば、がんになる前に細胞の異常を発見でき、子宮を温存して治療できます。しかしがんが進行すると、子宮の摘出手術、さらには子宮と一緒に周囲の臓器などの摘出手術が必要になります。
※ワクチン接種により副反応が起きる場合がありますので医師に相談・確認してください。

子宮を守るには早期発見が必須

イメージ  がんになる前の段階の細胞(異形成)が見つかった場合、またはがん細胞が子宮頸部の粘膜表面にとどまっているごく初期(上皮内がん)の場合は、子宮頸部を高周波メスやレーザーで円すい形に取り除く手術(円すい切除術)によって、子宮を温存して治療できます。
 入院は数日ですみ、術後に出血が多少ありますが、後遺症の心配はほとんどなく、その後の妊娠・出産が可能です。子宮を守るには、円すい切除術で治療できる段階までに細胞の異常を見つけることが必須です。また円すい切除術では頸部の一部を切り取るため、早産リスクが若干高まるとされています。術後に妊娠した場合は、主治医に報告・相談することが必要です。

自覚症状のないまま進行する

 がんが子宮頸部の表面(上皮)を超えて浸潤(しんじゅん)している場合、子宮を摘出しなくてはなりません。さらにがんが周りの臓器へも広がっていると、子宮だけでなく、膣の一部、卵巣・卵管、周囲の靭帯(じんたい)やリンパ節を含む広い範囲にわたる摘出手術を行います。
 子宮を摘出すれば、妊娠・出産はできません。また周りの臓器などの摘出に伴い、排尿・排便障害やリンパ浮腫(ふしゅ)=むくみなどの後遺症が起き、さまざまな辛い症状を抱えて生きていくことになります。
 初期の子宮頸がんはほとんど症状が無く、自分で気づくのは難しいのが現実です。しかし定期的に検診を受けていれば、異常を見逃すことはありません。検診は子宮頸がんから身を守るためにすぐにできる備え。定期的な検診受診を生活習慣のひとつにしたいものです。

《病気にはお金の問題がついてくる》

お金にきちんと興味を

 予期せぬ病気になったとき、誰もが治療費や生活費の問題に直面します。お金の備えについても、健康なときから考えたいものです。
 病気になったとき、まず経済面で私たちを守ってくれるのが公的医療保険です。市町村が運営して自営業者が加入する国民健康保険や、会社員・公務員が加入する組合保険や協会けんぽなどの健康保険によって、私たちは医療費の3割を負担すれば診察・治療が受けられます。
 さらに公的保険には高額療養費制度があり、1カ月あたり(1日〜末日)の医療費の自己負担限度額が定められています。一般的な所得の人で、上限は約8万円(年齢や所得水準によって異なります)。医療費がどれだけ高額になっても、自己負担は上限額までで、上限を超えた分は保険から支払われます。独自の企業体による健康保険によっては、窓口負担や上限額がさらに低い場合があります。自分が加入する公的保険について、きちんと確認しておきましょう。

公的医療保険+民間保険で備える

 公的保険によって治療費は一定額に抑えられますが、入院中の食事代や差額ベッド代は公的保険の対象外で自己負担です。このほか通院の交通費、治療中の生活費、抗がん剤治療を受けると副作用で頭髪が抜けるためウィッグも必要になります。リンパ浮腫のケアには、高額な弾性ストッキングなどが欠かせません。これらの公的保険でカバーできない支出には、民間のがん保険などで備えます。
 今、がん治療は手術や放射線治療、化学療法(抗がん剤治療)を組み合わせる方法が主流で、通院治療が増え長期化する傾向にあります。保険を選ぶポイントとして、入院しているかどうかに関わらず、放射線治療や化学療法を受けたときに給付金が出る実費型の保障や、がんと診断されたときに給付金が支払われる診断給付があれば安心です。

自分に必要な備えを考えてみる

 ケガや風邪など日常的な医療費の備えとしては貯金を心がけたいものです。一方、費用が非常に高額な先進医療や長期間のがん治療など、ハイリスクのカバーには保険が力を発揮します。また最近はセカンドオピニオン・サービスが付いた保険が増えています。担当医とは別の医療機関の医師に“第2の意見”を求めて、納得のいく診断・治療を受けるために、セカンドオピニオン・サービスに着目して保険を選ぶことも大切です。
 年齢、家庭、仕事など一人ひとり異なる私たちは、未来への備え方も人それぞれ正解が異なります。自分らしく美しくあるためにファッションや美容の情報をチェックするように、体のこと、お金のことにもきちんと興味をもって、健康なときから自分に必要な備えについて考えてみませんか。

《わからないこと、知りたいこと、気軽に相談できます》

「がんと言われて頭が真っ白…」「治療法はこれで良いの?」「仕事を続けられるか心配」「治療費はどのくらいかかる?」等々、がんに関する不安や疑問を気軽に相談できる窓口があります。患者さんやご家族はもちろん広く県民が利用できます。

■富山県がん総合相談支援センター
http://www.toyama-shakyo.or.jp/gan-soudan/
☎076-432-2970(相談受付 月〜金/午前9時〜午後4時 土/午後1時〜4時)

■がん診療連携拠点病院のがん相談支援センター
富山県立中央病院 医療相談室 ☎076-424-1531(内線9307、9120)
黒部市民病院 がん相談支援センター ☎0765-54-2211(内線1965、1968)
富山労災病院 がん相談支援センター ☎0765-22-1354(直通)
富山市民病院 がん・なんでも相談室 ☎076-422-1112(内線2560)
富山大学附属病院 がん相談支援センター ☎076-434-7725(直通)
厚生連高岡病院 がん相談支援室 ☎0766-21-3930(内線2822)
高岡市民病院 がん相談支援センター ☎0766-23-0204(内線2119)
市立砺波総合病院 がん相談支援センター ☎0763-32-3320(代表)
富山赤十字病院 がん相談支援センター ☎076-433-2222(内線2263)
済生会高岡病院 がん相談支援センター ☎0766-21-0570(内線1109)

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