メッセージ

経験者からのメッセージ

メッセージ>経験者からのメッセージ>NPO法人オレンジティ 理事長 河村 裕美さんを追加しました。

自分自身の闘病経験をふまえて、子宮頸がんなど女性特有のがんの患者支援や予防啓発活動に取り組む河村裕美さんからメッセージをいただきました。
イラスト
NPO法人オレンジティ 理事長 河村 裕美さん

NPO法人オレンジティ 
理事長 

河村 裕美さん


結婚1週間後のがん宣告

 私が子宮頸がんを告げられたのは1999年7月32歳のとき、結婚して1週間後のことでした。自覚症状は全くなかったのに病状は重く、8月に子宮、卵巣、リンパ節などを取る広汎子宮全摘手術を受け、子どもを産めなくなりました。卵子を凍結できないか悩み、離婚も考えましたが、「がんは治る時代だから、一緒に生きていこう」という夫の言葉に救われました。

 手術後2カ月で仕事に復帰し、静岡県職員として働きながら、2002年に女性特有のがんのサポートグループ「オレンジティ」を設立しました。患者同士が悩みや苦しみを分かち合う活動を通して、あらためて健康なときには思いもよらない悩みの多さに気づかされました。

※オレンジティの協力で富山県では昨年「チューリップティ」が誕生し活動しています。

生涯続く後遺症の苦しみ

 外見からはわかりませんが、私はずっと手術の後遺症に苦しんでいます。排尿・排便障害のためトイレに行きたい感覚がなく、自分で時間を見計らって排泄しています。また卵巣を切除したので女性ホルモンの分泌がなくなり、32歳で更年期障害の症状が現れました。さらにリンパ節の切除によるリンパ浮腫(ふしゅ)で足がむくみ、毎日マッサージが欠かせません。専用の弾性ストッキングは1足2万円近い高額です。

 経済的な負担は大きな問題です。東京へ通院していたので、治療費のほかに、自分だけでなく付き添う家族の交通費、宿泊費などが必要でした。後遺症のケアにも生涯お金がかかります。就職した頃に親に勧められて入った保険のありがたさを、病気になって実感しました。

健康な今から自分を守って

 子宮頸がんはワクチン接種や検診で予防でき、早期発見なら子宮を温存して手術し治療できます。その場合は後遺症もほとんどなく、費用もそれほどかかりません。この事実をより多くの女性たちに伝えたいと思います。

 私は母になる夢も、両親に孫を抱かせてあげることも、かないませんでした。富山のみなさん、子宮頸がんの予防と早期発見の大切さを知って、健康な今から自己防衛してください。それはあなたの家族や大切な人を守ることにもつながります。私が味わった苦しみを、私はもう誰にも味わってほしくないのです。


ページの先頭へもどる↑