経験者からのメッセージ
体の内側にも目を向け、 もっと自分を愛して。

NPO法人「愛媛がんサポート おれんじの会」理事長
松本 陽子さん
NHK松山放送局で医療分野の番組を制作していた33歳のとき子宮頸がんを発症。その後、患者・家族会「愛媛がんサポートおれんじの会」設立。安心できるがん医療の実現を願い、さまざまな活動に取り組んでいる。
体の内側にも目を向け、もっと自分を愛して。
子宮頸がんが見つかったのは33歳のときでした。
子宮をすべて摘出する手術と抗がん剤治療を受けました。
同世代の友人が仕事に恋愛にあるいは子育てに輝いているときに、病院の小さなベッドの上で半年近くを過ごさなければなりませんでした。
子宮頸がんのことを知識では知っていましたが、自分のこととして考えたことはなく検診も受けていなかったのです。
自分のことをもっと大切に考えていたら…。
あれから10年以上が経過し、現在では子宮頸がんの原因や、その対処法などが明らかになってきました。
子宮頸がんは誰もが発症する可能性があります。しかし早期に発見できれば、大切な子宮をなくさずにすむのです。ワクチン接種の意味や、検診の大切さを知ってください。また万一のときの経済的な備えについても、健康なときから考えておくことが大事だと思います。
わたしのような後悔をしないで済むように、もっと自分自身を大切に、愛してあげてほしいと願っています。
今、親子一緒にいる、それは検診のおかげ。
Mさん(41歳/富山市在住)

7年余り前、身近に体調を崩す人が多かったことから、健康診断を受けることにしたMさん(当時34歳・富山市)。念のため婦人科も…と受けた検診の結果、思いもよらぬ子宮頸がんを告げられました。「とにかく驚き、ショックでした。知識もなく、私は死ぬの?と、いろいろ考え悩みました」。
精密検査の結果、がんは初期(ⅠA1期)で、円すい切除術で子宮を温存して治療できるとわかりました。「まだ30代でしたし、小学生だった子どもたちのためにも元気になりたいと思いました」。手術は1時間足らずで、入院は3日間。家で療養した後、ほどなく仕事に復帰して、その後は定期的に検査を受けながら、後遺症もなく生活しています。「見つかって、幸運でした」と実感を込めて言います。「娘は高校1年のとき、市の補助を利用して子宮頸がん予防ワクチンを接種しました」とのこと。また治療後は友人たちに検診を勧めるようになりました。
笑顔で体験を語りつつも、「あのとき検診を受けていなかったら、今、子どもたちと一緒にいられなかったかも…」とMさん。「より多くの女性に検診を受けてほしい」と心から願っています。